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房:FZ20の開発で重要視したのは、まず画質を向上させることでした。で、画質を向上させるためには、画素数を上げるだけではダメで、いろんな細かい部分を詰めていかねばなりません。そのひとつが、エンジンの進化です。エンジンというのはデジタル画像処理を行う心臓部のことで、ルミックスではヴィーナスエンジンといいます。FZ20では、これを進化させてヴィーナスエンジンIIというエンジンにしました。
具体的にお話しますと、色収差と言う現象があって、望遠レンズの宿命として光学屈折の現象から画面周辺部に必ず色ズレが起こるんです。これをヴィーナスエンジンIIによって、デジタル画像処理で取り除こうというのがFZ20のポイントです。色ズレがなくなるということはピントが合って見えるということなんです。ピントが合って見えるということは、写真のコントラストが強くなるんですよね。奥行き感が出たりとか。
![[写真]尾張正博さんと房忍さんの対談風景 その7](img/pic_16.jpg)
尾張:それはもう、使っている人間がどうすることもできない部分ですから、改良していただけるというのはうれしいですね。
房:もう一つは操作性です。尾張さんもFZ10の操作に慣れてくると、もっとダイレクトに操作したいとか、こんな使い方をしたいという欲求が出てきたんじゃないですか? FZ20では、例えばプログラム、オート、絞り優先、シャッター優先、フルマニュアルという撮影条件の選択を簡単に行えるようにしました。FZ10は画面に一度表示させて、そこから選択するという操作が必要だったのですが、それをボタン操作でできるようにしたのです。
さらに、よく使うシーンモードのうち2つをメモリーしておくこともできます。例えば尾張さんなら、流し撮りとポートレートの2つのモードをメモリーさせておけば、取材のとき、より素早い対応ができると思いますよ。
![[写真]尾張正博さんと房忍さんの対談風景 その8](img/pic_17.jpg)
尾張:あっ、それはいいですね。
房:いまお話しした流し撮りモードも、ぜひ試してみてください。この写真(10)も尾張さんが撮られたんですよね。
尾張:これは昨年のオーストリアGPで撮ったものなんです。マシンのスピードはこれで150km/hオーバーぐらいでしょうか。以前、一眼レフに200ミリのレンズをつけて、同じ場所で撮影したことがあるんですが、やっぱり素人が扱うにはカメラが重くて、マシンのスピードに追いつかないんですよ。それがこれだと、手首だけでいけました。
房:こういった写真も流し撮りモードを使うと、さらに撮りやすくなると思います。
尾張:流し撮りモードというのは、どういうものなんですか。
房:わかりやすく言うと、FZ20についている手ブレ補正機能のうち、縦方向だけを効かして、左右方向は機能させないわけです。その上で、できるだけ遅いシャッタースピードが選択されるようになります。これは普通の方でも、例えばお子さんの運動会の徒競走とか、そういうスピード感を出したいとき、便利な機能だと思いますよ。
![[写真(10)]](img/pic_18.jpg)
![[写真]房忍さん その1](img/pic_19.jpg)
尾張:もう一つ、僕がすごいな、と思うのは壊れないことですね。カメラマンたちがよくぼやいているんですよ。すぐ調子が悪くなるって。彼らはパッキングなんか完璧なんですよ。どちらかというと、僕のほうがカバンにポンと入れちゃったり、扱い方は荒い。だけど、まったく壊れない。この普通に扱って壊れないというのがいいですよね。
房:一眼レフというのはシステムカメラですよね。ボディとレンズが別々になるという。FZシリーズのような一体型というのは、最初にボディとレンズを組み込んでしまって、そこで品質を確保するんです。だから一眼レフに起こるような、例えばレンズとセンサーの間にゴミがたまるといった問題が起こらない。つまり問題が根本的に出ないような組み方ができるんですね。そういう意味で安心感はあると思います。
尾張:なるほど。とにかく壊れないということは、海外で仕事をする身としては、安心なんですよ。
![[写真]尾張正博さんと房忍さんの対談風景 その9](img/pic_20.jpg)
房:コンピュータ系のものづくりの発想と、家電系の発想というのがあって、両者は明らかに違うんですね。弊社ではコンピュータ系の発想…例えばバグはあとで直せばいいとか、そういった考え方は認められないんです。そういう中途半端なものは市場に出してはいけない、という姿勢なんですよ。だから品質管理については、すごく厳しい。精密機械でありながら家電製品と同じ弊社統一の品質基準で作らなくちゃなりませんから。耐久性とか、環境性能とか…とにかく、動くものが動かないというのが一番の問題なんです。
尾張:なるほど。画質も操作性もよくなって、さらに壊れない。もう、進化するところがないじゃないですか。
房:いやいや、FZシリーズはこれからもどんどん進化していきますよ。まずは、もっと高倍率の世界を広げていきたいと思っています。尾張さんも、FZシリーズの進化に遅れないように、どんどん自分なりの使い方を広げていってくださいね!ちょっと遅くなりましたけど、来シーズンはFZ20でさらにF1ファンを喜ばせる写真を撮ってください。
尾張:え、貸していただけるんですか? やったあ!(笑)また、使って気がついたことがあったらメールしますね。今日はいろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
さて、いかがだったでしょうか。聞くところによると、尾張さんのFZ10はパドックでも評判になり、マネをしたジャーナリストも何人かいるようです。来シーズンはFZ20が新たな話題を振りまきそうですね。尾張さんには、ライバルに負けないイイ写真を来シーズンもお願いしたいものです。来シーズンの尾張正博の「Diary」に期待しましょう!

![[写真]房忍さん その2](img/pic_21.jpg)
