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Vol.03 尾張さんの秘話に編集部コンビも納得! オフシーズン特別座談会過去最高の'05年を振り返る!

こんにちは。「f1.panasonic.com」の前ちゃんです。2005年シーズンも終了してしまいましたね。みなさんはこのオフをいかがお過ごしでしょうか。「Diary」でおなじみの尾張さんも一年間の長いロードを終え、帰国。すこし落ち着いたところということで、尾張さんと、当サイトのメールマガジン「f1.panasonic.com倶楽部」でおなじみの当サイト編集長、副編集長コンビ“前ちゃん&チョーさん”による特別座談会企画を急きょ決定! 先日、新宿某所に3人で集まり、語り合っちゃいました! パナソニック・トヨタ・レーシングの知られざる事実、F1の裏側など、尾張さんには「Diary」で書ききれなかったネタを、たっぷり語っていただきましたよ!

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左から前ちゃん、尾張さん、チョーさん。「おーし、次は開幕直前座談会、来年の2月にやるぞぉ?!(前)」「いやいや、まだ決まってないですからね、みなさん(チ)」

マレーシアで念願の表彰台をゲット!ところが中盤、レースでちょっとスローペースに……なぜ?

前:皆さん一年間ご苦労!いろいろあったけどともかく、目標の表彰台は達成したし、最終戦も来季を見据えて終盤に投入したBスペックで有終の美を飾るなど、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては大変実りのあるシーズンだったね。ということで、まずは乾杯!

チ:まだ早いですって編集長。その前にちゃんと座談会しましょうよ。この模様はみなさんに公開するんですから!お酒を飲んだら何言い出すかわかんないじゃないですか、編集長は。進行役は僕にまかせてください。ではまず尾張さんに聞きたいんですけど、ファンのみなさんが今季最も印象に残っているのは、やっぱりマレーシアでのトゥルーリの2位表彰台だと思うんです。序盤にして早くも結果を出したことについて、尾張さんはどう見ていますか?

前:そうだよね。一年目から内心ずっと期待していたんだけど、いざ達成してみると実は唐突な感じだったんだ。参戦53レース目での初表彰台。これは早いのか、遅いのか。どっちなんだろう?

尾:早いか遅いかという感覚はなかったんですけど、シーズン前からずっと取材している中で、今季のパナソニック・トヨタレーシングは体制的にも整っているし、ドライバーもいいし、レギュレーション変更に対する準備対応もちゃんとやっているという話を聞いていたんですよ。だから普通に考えれば「イケる」となるんですけど、そのやり方がいままでのF1とは違っていたんです。これまでのF1の強いチームは、一人の天才的なデザイナーがチームをすべて動かしていたような感じなんですけど、パナソニック・トヨタ・レーシングはテクニカルディレクターのガスコインが中心ではあるけど、すべてを分担する体制を採っていたんです。ちょうど今季プロ野球で日本一になったロッテみたいな感じですね。絶対的な4番打者はいないけど、1、2番が自分の役割をちゃんと果たすという。バレンタイン監督がガスコインのポジション。で、パナソニック・トヨタ・レーシングに話を戻すと、実際に分担したそれぞれはちゃんと育ってきてはいるんですが、それはあくまで理想論であって、うまくいくのかどうかは長くF1の取材をしている経験から言っても不安がありました。成功すればF1の常識が変わってしまうわけですから。でもこれからのF1が、“総合力が重要”だという流れになっていけば、きっと面白くなるだろうという期待感をもって開幕戦の舞台メルボルンに行きました。そして2戦目にしてパナソニック・トヨタ・レーシングが結果を出したことで、シーズンは、混沌とした面白い展開になるなと思いました。また大きなところで言えば、今後のレギュレーションのことを考えた場合、今までのやり方のチームはきっと勝てなくなると思うんです。

前:ということは、パナソニック・トヨタ・レーシングはこれからのF1の流れにすでに乗っていると?

尾:そうかもしれません。実際パナソニック・トヨタ・レーシングはいま、2台目の風洞を動かそうとしていますが、2007年にはリアウイングのレギュレーションが変わりますよね。それに対応するためには、より空力のことを研究・開発しなくてはならない。すると他チームも、パナソニック・トヨタ・レーシングのようにしなければ戦えなくなるはずです。それを先にやっているわけだから、ひょっとしたら来年、行っちゃうかも知れませんよ。

前:ど・どこへ?

尾:チャンピオン。

チ:まぁ、確かにマレーシアで2位になったことで、今シーズンの期待が一気に高まりましたよね。でも中盤戦を迎えると、予選は上位なんですけど、レースでは速さがなかったGPが多かったように見えたんですけど……。

前:確かに。こりゃ行くぞ!と思った矢先だったしね。現場で見ていて尾張さんはどう思ったの?

尾:やっている本人たちもその辺はつらいGPだったようですよ。でも何が原因かははっきりしないというか、秘密の部分もあるんだと思います。ひとつ言えるのは、ヨーロッパGPから予選方式が変わったことが挙げられますね。もともと予選重視の傾向ではあったんですけど、一発にかわってしまったでしょ。タイヤの使い方を含めて、その対応がちょっとだけ遅かったのかな。それでも予選で前に行けばなんとかなるだろうと、予選重視を変えなかったようで……。そうしたら周りのレースペースは彼らの予想以上に速かったのです。それから、モナコの後にすでにBスペックを作ろうという話が決まり、開発が2方向に分かれてしまったのも原因だと考えられます。実際ドイツGPあたりではまったくAスペックの新パーツが出てきていませんでしたし……。あともうひとつ、タイヤの使い方がよくなかったですようです。リアタイヤの。今のタイヤは路面温度に対して使えるレンジの幅がピンポイントになっていて、まずそこをはずしていたようです……。まあ、すべて推測なんですけどね。

チ:そのあたり、それでも予選で時々トゥルーリが上位に来るもんだから、こっちはそのたびに「今度こそは」って見ていたんですけど、実際、表彰台に立てる状況ではなかったんですね。

前:トゥルーリの予選が速すぎるんだよ!

尾:それはあります。速すぎて、まわりが「軽いんじゃないか?」って騙されていたくらいですからね。

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第2戦マレーシアGPでパナソニック・トヨタ・レーシングにとって初めての表彰台をもたらしたヤルノ・トゥルーリ。友の死という、自身にとっては困難な状況を乗り越えての結果であった

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マレーシアGPでトゥルーリの表彰台獲得を喜ぶスタッフ。4年目にして到達した表彰台に、チームの結束もより高まっていった

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チーム創設よりプロジェクトにかかわってきた高橋敬三テクニカルコーディネーション担当ディレクターにとっても、念願の表彰台だっただろう