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Vol.03 尾張さんの秘話に編集部コンビも納得! オフシーズン特別座談会過去最高の'05年を振り返る!

エンジニアになるならヤルノ 友達になるならラルフです

チ:今度はドライバーに話を移しましょうか。今季からヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハというコンビになりました。2人とも優勝経験者ということで、これもファンが期待するひとつの要因だったんですが……。

前:シーズンを通して、2人とも頑張ってくれたと思うんだけど、なんか、前半トゥルーリで後半ラルフって感じになっちゃった。これは何か原因があるの?うまく2人ともハマっていればダブル表彰台が見られたのにね。

尾:まずは予選システム。今年のシステムでは一度レースで下位に沈んだら、なかなか上がってこれませんでしたよね。そして2人の命運を分けたきっかけは雨でした。ヤルノは雨に助けられて、予選上位になり、そこからしばらく、いい状況が続いたんです。一方のラルフは、逆にその雨が災いし、シーズン序盤は後方からスタートすることになった。

チ:確かに今年のレギュレーションはその面が厳しかったですよね。でもバーレーンでは2位&4位だったじゃないですか?

尾:そこでラルフはミスをしたんですけどね。もちろん、雨のほかにも理由はあります。Bスペックの時にこれははっきりわかったんだけど、マシンの好みが少し違うんですよね、2人は。前半戦のパナソニック・トヨタ・レーシングのマシンは少しアンダー傾向だったんです。これがトゥルーリの好みに合っていたようですよ。逆にラルフはアンダーを嫌うドライバーだった。だからBスペックでの相性が逆になったでしょ。

前:じゃ、トゥルーリは来年やばいってこと?

尾:いや、今年のBスペックはトゥルーリの好みに合わせるまで、セットアップする余裕がなかったんですよ。つまりスタッフにも、Bスペックをヤルノ好みにセットアップするための知識が、あの時点ではまだなかったということなんでしょう。ラルフにはたまたまマッチしていただけでね。これからウインターテストで走りこんで、データを集めれば問題はないと思いますよ。

チ:ところで、その2人と1年間接していた尾張さんから見て、彼らはどういう人物なんですか?

尾:まずひとつ共通していることは、2人とも素晴らしいドライバーだということ。

前:そりゃ、分かってるって。具体的には?

尾:トゥルーリで言うと、彼はセッション中にどんなトラブルが起きても、いつも平然としているんですよね。まったく怒らないし、焦らない。だからメカニックも冷静に対処ができるんですよ。カナダだったかな?あるセッションで、走り初めてすぐにトラブルが起きてピットに戻されたことがあったんです。普通だったらマシンを降りて、クレームのひとつでもつけるのかなというような場面。ところがトゥルーリはマシンを降りるでもなく、コクピットに収まったままメカニックの作業が終わるのをじっと待っていたんですよ。考えてみれば、また走るのだから、そこでいったんマシンを降りるのは無駄なこと。そういう無駄なことをしない人なんですね。と同時に、きっと彼はスタッフを信じているんですよ。「とにかく一生懸命マシンを作ってくれ。コースに出たら、あとは俺がなんとかするから」って。そう思っている感じがします。そりゃ、スタッフはうれしいですよね。メカニックも意気に感じて、「トゥルーリのためだったら何とかしてやらなくちゃ」となるわけですよ。そういったトゥルーリの熱さとか、フレンドリーさは、チームにいい相乗効果を生んでいますよね。

前:まあね。

チ:なに鼻を高くしてるんですか!編集長はただのファンってだけで、関係ないでしょ。で、ラルフはどうなんですか?

尾:外部の人から、彼は「ちょっととっつきにくい」って思われているけど、チームの中ではそんなことなくて、担当のエンジニアやメカニックには、ラルフへの忠誠心がすごくあるように感じますね。そしてラルフの一番すごいところは、忍耐力。前半、トゥルーリに比べて結果が出ないことで、まわりからいろいろ言われて、つらい思いもしていたと思うんです。でも、それに耐えられたからこそ、モナコGPでの最後尾からのポイント獲得につながったんでしょう。あれはなかなか出来ませんから。あとね、意外にやさしいところもあるんですよ。ラルフのインタビューは難しいってドイツのプレスから聞いていたんだけど、実際話してみると、知っている日本語をわざわざ使ってくれたり、サービス精神も結構あったり……。相手にもよるのかも知れませんが、僕は人間味がすごくある人だと思っています。

前:いが?い。そうなんだ。でもそうじゃないとチームもまとまらないし、結果もでないよね。

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カナダGPの予選中。マシンの中でじっとスタッフの作業が終わるのを待つトゥルーリ。そこにはスタッフたちに対する絶対的な信頼がある

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モナコGPで猛烈な追い上げを見せたラルフ・シューマッハ。抜きどころの少ないモンテカルロで、最後尾スタートながら6位入賞を果たす

[写真10]

ドライバーズランキングではラルフ6位、ヤルノ7位。そしてコンストラクターズランキングでは4位に入る躍進を見せた2005年のパナソニック・トヨタ・レーシング。来季は当然、それ以上を期待です!

尾:担当エンジニアになるならトゥルーリで、友達になるなららラルフって感じですね。僕の個人的な印象ですよ、もちろん。

チ:ではそろそろ、ビールもぬるくなってきましたので、最後に尾張さんにお聞きしますが、今季の目標だったサーキット走破計画はどうなったのですか?あれだけ豪語していたんだから全サーキット完走なんでしょ?

尾:いや、まずイギリスで体調を崩して、ホッケンハイムはな?んか走る気がしなくて……、初開催のトルコは夜になると真っ暗になってしまうし……。※以下、言い訳が続く。

前:そんなこったろうと思ったよ。鈴鹿で尾張さんのおなかを見て、それはわかってた。シーズン開幕前よりひと回り大きくなってたからね。で、来年も挑戦するの?

尾:来年はクルマで走りたい。いや自分で走るのがいやになったんじゃなくて、クルマのほうがコースをより熟知できるから。アップダウンとか、アンジュレーションとか……。

チ:はい、はい、じゃあ乾杯しましょう!みなさん、来シーズンも「f1.panasonic.com」にご期待ください。いっそう気合の入った「Diary」や、メールマガジン「前ちゃん&チョーさんのGo! Go! パナソニック・トヨタ・レーシング!!」を、お届けしますので。もちろん、レースレポートや巨匠・熱田護カメラマンのフォト・ギャラリーもね。それとこのオフシーズンについても、いまいろいろと特集企画を仕込んでいます!こちらもご期待ください!!

[写真11]

前:「尾張さん、ちょっと幅を取りすぎじゃないの? チョーさんが狭そうだよ」

尾:「僕はBシャシーにしなかったんですよ。来季型MO106(「MO」はもちろん、マサヒロ・オワリです)は、ぐっとシャープになりますから。期待しててください」

チ:「尾張さん、その割に食べすぎなのでは……」