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Vol.05 30年ぶりに富士にこだましたF1エキゾーストノート!日本GP 富士現地企画を徹底レポート!! VIP指定席当選者レポート

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Report08 愚っ痴ぃさん 「観戦レポート」

愚痴ばかりを書いて当選したチケットを手に、出発前にパナソニック・トヨタ・レーシングに込めた思いは、“悔いの残るレースばかりを連発していますが,富士でだけは「全力を尽くした、運も味方した、富士でしかできないレースだった」と、納得のできるレースを期待しています。コマーシャル通り、「全力で行け! パナソニック・トヨタ・レーシング」”、というものでした。

最初に日本GPのトヨタ観戦記の結論を言っておきましょう。
「全力で行ったが、実力通りだった。運には完全に見放された。富士でしかできないレースを“魅せ”られなかった」

まず一番の運のなさは、レース面、運営面のすべてに影響した天候でしょう。富士スピードウェイとトヨタにとって、30年ぶりの富士での日本GPは、どうしても晴れでなければならないレースでした。なぜなら、ひとつは、“秋晴れの空の下,富士山の麓を駆け抜けるF1マシン”、“雄大な富士山をバックに日本GPを祝うブルーインパルスの華麗なパフォーマンス”、“これぞ日本GP”と、世界中のF1ファンに発信できるハズだったアピールが……まったくできなかった。きっとこの準備のために、富士スピードウェイのスタッフが尽くした努力や、航空自衛隊の練習は計り知れないものだったであろうと察します。もうひとつ。我らの期待していた“富士スペシャル”はドライしか想定していないと思えるようなマシンだったということ…。

私は予選をVIP指定席で観戦させていただきました。ここからは、VIP指定席での予選の様子と個人的な感想をレポートします。予選のVIP指定席は、第1ピリオド終了間際のあの瞬間から凍りつきはじめた。前日のフリー走行の調子なら、2台ともに最終ピリオド進出確実と、VIP指定席の全員が安心しきっていた。ところが、ラルフが左近に追突。信じられない映像に、VIP指定席の空気は少し凍りついた。リアウイングのないラルフのマシンが、クレーンに吊るされて退場していく……VIP指定席は少し凍りついた空気のまま、第2ピリオドが開始された。

せっかくですので、ここでVIP指定席について紹介します。ガラス張りでトヨタのピット真上にあるVIP指定席内のモニターには、国際映像、ラップタイムだけでなく、パナソニックさん提供のトヨタピット内を映す専用のリモコンカメラの映像まであります。あと一人に一台づつ、カンガルーTVも与えられます。
VIP指定席のギザギザのガラスは、メインストレートの両端を見るには便利なのですが,せっかくのマシンの音が曲がって聞こえます。食事はオードブルから始まるコース料理で、メインはビュッフェ方式。当然シャンパン片手の観戦です。3Fはガラスのない吹きさらしのラウンジで、ドリンク、フルーツ、ドルチェ類がフリーになっていました。チームグッツのお土産屋さんもあります。空いた時間には音楽の生ライブもやっています。こういうところで観戦していると、F1はお金がかかるスポーツであることを、改めて実感してしまいます。ヤルノの第2ピリオド最後のタイヤ交換を、真上から見ました。これほど近くからタイヤ交換を見ることができる……これがVIP指定席です。

[写真1]

隣りはBMWのピットです。ピットに戻ったBMWのタイヤから、湯気がモクモクと立ち昇ります。トヨタのタイヤからはそれほど湯気が立ちません。雨のレースでタイヤ交換を間近に見てわかりました。これがマシンの差です。トヨタのマシンは、タイヤに熱が入らないのです。ヤルノがピットアウトし、アタックする勝負の周回。カメラはヤルノを追っています。トヨタのVIP指定席ではモニターの前で、トヨタのVIPのために、由良拓也さんが生解説してくれています。カメラは懸命に走るヤルノを追いかけ続けています。最終コーナーを抜け、長い長いストレートを駆け抜け、ゴールラインを通過。VIP指定席内の全員の視線が順位表示に釘付けになります。

10位に、+コンマ9秒表示。
画面は変わって、涙目の山科さんのアップ。

VIP指定席の多くの人は、たぶん理解できていなかったと思います。チェッカーまでの時間は残り1分を切っている。画面は変わって、もう一周のラップに行くヤルノをカメラは追い続ける。ここで由良拓也さんの、大変ご親切なトドメの解説が入る。

「こうなってしまうとドライバーは何もできないんです。今日のセッティングは、全チームがイチかバチかで出て行ってしまった。そうである以上、もう何もできません……」

ここで初めて全員がパナソニック・トヨタ・レーシングの予選最終ピリオド進出が途絶えたことを理解し、VIP指定席は完全に凍りつきました。最低限ホームレースでトヨタが見せなければいけなかった予選の光景。……予選最終ピリオドの最後、1分を切ったラストの周回で、トヨタが何位をとれるかの緊張の一瞬。そこで今シーズンベストの走りを“魅せる”。そして集まったVIP(なぜか私を含む)が、画面に向かって拍手で健闘を讃える……。予想外の第2ピリオドでの幕切れに、結局一度の拍手も歓声もないまま、寒~く、なにげな~く、VIP指定席のトヨタの予選は終了しました。

予選後、VIP指定席にドライバーが現れます。かわいそうにラルフの当番でした。申し訳なさそうに現れ、終始照れくさそうで、緊張感のない、和やかな会見でした。ラルフのトヨタ離脱発表は日本GP後となりましたが、多くのトヨタファンなら、いつ聞いても驚かない内容だったと思います。ラルフのギャラは高かったですが、3年前のラルフ加入のニュースは、トヨタに大きな夢を与え、チームのステイタス向上には大きく貢献したと思います。

ありがとう、ラルフ。

前田編集長の言う通り、“この天候が富士ならでは”の特色なら,トヨタの“富士スペシャル”は、標高差を考慮したから自信満々な程度では考えが甘過ぎ。雨、霧の路面状態を考慮したセカンドパッケージまで用意してこそ、ホームである富士を知り尽くした、本当の“富士スペシャル“なのではないでしょうか?富士でしかできないレースを”魅せて”欲しかったのですが……決勝の感想はまさに、尾張さんのDiary「disappointing」の通り。しかしヤルノのシフトミスについては、天候の運のなさが原因だと思いました。雨の中、タイヤに熱の入らない”富士スペシャル“に、それでも必死にステアリングを切って熱を入れようとしたヤルノ。雨でステアリングから手を滑らせても責められない。ヤルノ愛用のグローブは、指先に滑り止めがないタイプですしね……。決勝の終盤、リタイアしたと思われたラルフが走り出しましたが、私には何の感動もありませんでした。私がトヨタに期待している”全力を尽くす“とは、もっとエキサイティングなものであり、ガンバリズムではありません。来年は新しいドライバーを迎え、3年前以上の新しい”夢“のあるチームとして出発してほしいです。エンジニアリング体制も補強しないと、下位と思っていたチームにも置いて行かれる気がします。

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