2008年日本GP、パナソニック・トヨタ・レーシングの「Push Hard!」は成されたのか……。
私的見解「Push Hard!」度をもって、検証したい。
興味深いデータがある。全ドライバーの中で金曜から日曜日の3日間、一番周回を重ねたのはヤルノだったそうな。これを「Push Hard!」と言わずしてなにを……といったことを表している。
それともう一つ気になるデータは、予選のベストセクタータイム。ヤルノは第1セクターと第3セクターで2番目のタイムを叩き出しているのだ。上手くつなげられれば……という見方もできるが、まさに攻めていた証拠だろう。予選第3セッションでの燃料積載量の差により、パッとしないグリッドに沈んだことが、残念でならない。

そして迎えた決勝。実はヤルノには、勝つチャンスがあったのではないかと私は思っている。ハッキリ言ってしまうと、まだまだトップ2と比べてマシンが安定して速いとは言えない。だからこそ、今回のレースのようなスタート時の上位陣のアクシデントは、絶好のチャンスだった。グリッドが一つ前だったドライバーが1周目にトップ。有利と言われる奇数列スタートだったヤルノにも、実はチャンスがあったのではないか……。
かなり妄想的希望ではあるが、ファンとはそういうものであり、私達がそう思わなければいけないとも思っている。その後のヤルノは、まさに「レース巧者」であった。給油のアヤとは言え、このホームサーキットで一時トップをも走行(素晴らしい!)。マシンのバランスに苦しみつつも見事5位入賞に至った。
そんなヤルノの「Push Hard!」度は、75% といったところか。
5周目でピットインしたときには、背筋が冷たくなったのを覚えている。なにがあったんだ? まさかそんなに軽いタンクであるはずが無いことは、素人の私でも容易に想像できた。次の周に2回目のピットイン。その時にはノーズからガレージにF1カーを入れる。レース後の情報によると、スタートの混乱でマシンを損傷させたそうな。燃料も重めだったようで、後のレース展開を想像すると非常に残念である。
しかし、土曜日までに彼が魅せてくれた走りは、まさに「Push Hard!」であった。金曜日、フリー走行2回目でのトップタイム! フリー走行とは言え、ホームGPでトップを守る走り。そして土曜日。燃料搭載量の差がない予選第1セッションで、再度のトップタイムを記録。フリー走行での順位がマグレでなかったことを、見事に証明してみせた。だからこそ、レース中のアクシデントが本当に悔しい。
シーズン序盤不安定と言われ、速さも華やかさも欠けているとも言われたティモは、もういない。トップを守る走りができるのだから!
来季への希望も込めて、ティモの「Push Hard!」度は、90%!

ここまでよくぞチームをこの「位置」までもって来た! というのが第一の感想。
結果から言えば、確かにティモはリタイア、ヤルノは5位入賞だった。しかしそれは、「5位入賞では不満」と言える位置まで持ってきたということ。予選も然り。少し前までは2人揃って第3セッションに進出するだけで「歓喜」だった。それがこの日本GPでは、7番と8番グリッド獲得くらいでは、ファンも、そしてチームも不満に感じているほどだ。
フリー走行や予選のセッション単位でなら、トップタイムを記録するまでのF1カーを作り上げて来たことは、去年までの状況を考えれば賞賛に値する。まさに「Push Hard!」の結果であると推測される。
チームの「Push Hard!」度は、伸び代がまだまだあるという意味で、80% としておく。

来年こそは表彰台の頂点、そして近い将来にチャンピオンを獲るまで……「Push Hard!」度100%で、突き進んでいただきたい!


